イチジクの剪定方法|夏果・秋果・兼用果の剪定や剪定時期、仕立て方を解説

美味しいイチジクを収穫するためには、毎年剪定をする必要があります。

しかし、イチジクには「夏果」「秋果」「夏秋兼用果」と種類があり、剪定方法も異なります。

剪定初心者であればなおさら剪定が難しく感じるでしょう。

本記事では、イチジクの剪定時期や種類別の剪定方法、植え付けてからの仕立て方を解説します。

 

イチジクの剪定時期

イチジクの剪定は、12月〜2月が適期です。

夏になるとイチジクの実がなり、秋に実を収穫することができます。

そして冬になると休眠期に入るため、剪定によるダメージが最小限に抑えられます。

成長期(春〜夏)に剪定してしまうと、生育を妨げてしまい実がならない可能性があるため注意しましょう。

 

3年目までのイチジクの仕立て方

イチジクを植え付けて3年目までは「仕立て」を行います。

杯状仕立てと一文字仕立てと呼ばれる2つのパターンがあり、樹形に合わせてどちらかの仕立て方を取り入れるようにしましょう。

 

仕立てに必要な道具

  • 剪定バサミ
  • 剪定ノコギリ
  • 軍手

 

杯状仕立て

庭や鉢植えで育てるには「杯状仕立て」がおすすめです

ワイングラスのような樹形で、上に伸びるとともに外側に枝が広がるイメージです。

杯状仕立てにするメリットは、中心部に風と光が届き、均等に果実を成熟させることができます。

ただし、枝を広げすぎると外側の枝が垂れてしまい支えが必要になることもあります。

仕立て方は以下を参考に、1年〜3年の冬に行いましょう。

 

1年目
  • 土から高さ50cmほどの箇所で主幹を切る
2年目
  • 主枝4本残し、枝先2〜3cmを切る
  • 主枝4本より下に生えた枝は根元から切る
3年目
  • 主枝から2本の枝を出して、2芽残して切り戻す
  • 枝を20本ほど残して、混み合った枝を根元から間引く
  • 全体の樹形が整ったら杯状になるように仕立てる

 

一文字仕立て

果樹園のように広く育てるには「一文字仕立て」がおすすめです

2本の主枝を左右に広げT字になるようにフェンスやトレリスに誘引します。

そこから生える枝を上に伸ばしていくイメージです。

一文字仕立ては、イチジクの収穫がしやすく風評被害を受けにくいメリットがある一方、生育がしにくいというデメリットも存在します。

育て方や環境に合わせてどちらの仕立てがいいか検討しましょう。

 

1年目
  • 主幹を土から50cmほどの高さで切る
2年目
  • 分岐してる主枝2本を左右に誘引する
  • 3~4mのT字になるよう仕立てる
3年目
  • 主枝から毎年新梢を15本ほど伸ばす
  • イチジクの実がつきだす

 

4年目以降のイチジクの剪定方法

次に、4年目以降のイチジクの剪定について見ていきましょう。

4年目になると「間引き剪定」と「強剪定」を組み合わせた剪定を行います。

またイチジクには、夏に実をつける「夏果」と秋に実をつける「秋果」、夏にも秋にも実をつける「夏秋兼用果」の3つの品種があります。

それぞれ剪定方法が異なるため、育てているイチジクの種類に合わせて行いましょう。

 

剪定に必要な道具

  • 剪定バサミ
  • 剪定ノコギリ
  • 軍手
  • 癒合剤

 

夏果の剪定

夏果の品種は、2年枝(2年目になる枝)の先端に花芽がつきます。

翌年にその花芽が実をつけることになります。

2年枝1本につき、5〜8個ほど花芽を残し、枝の先端を切りましょう。

翌年は切ったところから新枝を伸ばし、翌々年には新たに花芽が増えることになります。

よって、花芽を切り落とすと花が咲かなくなってしまうため、不要な枝を優先的にカットし花芽を切り落としてしまわないよう注意しましょう。

 

収穫時期 6月下旬〜7月上旬

 

秋果の剪定

秋果の品種は、1年枝(その年に伸びた枝)に花芽がつき秋には実をつけます。

2年枝の花芽を2〜3個残して切ります。

そうすることで来春に新梢(今年の新しい枝)が伸び、また秋ごろに実を収穫できるでしょう。

2年枝は茶色い枝になっているので見分けながら剪定してください。

また、混み合っている枝や徒長枝も間引き剪定することで風通し・日当たりがよくなります。

 

収穫時期 8月下旬〜11月上旬

 

夏秋兼用果の剪定

夏秋兼用果の品種は、夏果剪定・秋果剪定を並行して行います。

夏果は2年枝に実をつけ、秋果は1年枝に実をつけます。

そのため、夏果のために2年枝には2〜3個の花芽を残し、秋果のために1年枝を2〜3本は残しておきましょう

 

収穫時期 6月下旬〜11月中旬

 

リフレッシュ剪定

リフレッシュ剪定とは、イチジクの木の若さをキープして、美味しいイチジクを収穫するための方法です。

毎年、木の主枝を新しい枝と入れ替える作業で、古い主枝を切り生育を促し、新しい芽を早く出させます。

生育以外にも果実の品質を上げる、障害になりにくいといったメリットもあります。

 

イチジクを増やす挿し木の仕方

イチジクを増やしたいときは挿し木にすると簡単に増やすことができます。

挿し木の適切な時期は2月〜3月で、枝や葉を切り取り、土に挿して根付かせます

手順は以下の通りです。

 

挿し木の手順

  1. 枝を15〜20cm程度の長さに切る
  2. 枝の切り口を斜めにカットする
  3. 水に2時間つける
  4. 鉢に揷し木用の土をいれる
  5. 枝の2分の3が埋まるように挿す
  6. 水をたっぷり与える
  7. 根が出るまでは鉢全体をビニール袋で覆う
  8. 日陰で管理する

 

イチジクを庭で育てたい場合は、芽が出てきたら日当たりのいい場所に植え替えましょう。

 

まとめ

イチジクを収穫するためには、年数と品種にあった仕立て・剪定をする必要があります。

1年目〜3年目のイチジクは仕立てを行うのが一般的で、4年目以降は「夏果剪定」「秋果剪定」「夏秋兼用果剪定」を行います。

また、毎年主枝を新しくする「リフレッシュ剪定」を取り入れてイチジクの木の若さと美味しい果実の収穫に期待しましょう。

ただ、イチジクの剪定は簡単なものではありません。

品種に合わせたり、樹形を考えたりと剪定初心者にとってはかなり難易度が高いです。

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