ナヨクサフジ(弱草藤)とは|毒性はある?クサフジとの違いや育て方などを解説

春の野原や河川敷を、鮮やかな紫色のカーテンのように彩る「ナヨクサフジ」。

その繊細な姿に惹かれて「庭で育ててみたい」「食べられるって本当?」と、興味を抱く人は多いのではないでしょうか。

ナヨクサフジは、他の植物を圧倒するほどの強靭な繁殖力を持つ外来種であり、「植えてはいけない」と言われることもあるほどです。

本記事では、ナヨクサフジの特徴や毒性の有無、育て方について詳しく解説します!

 

ナヨクサフジの特徴と名前の由来

名前 ナヨクサフジ
種類 マメ科ソラマメ属
開花時期 4月〜6月
花色
  • 紫色
生息環境
  • 道端
  • 野原
  • 荒れ地
  • 河川敷
  • 畑の周囲

…など

 

初夏にかけて、藤の花を小さくしたような紫色の花を房状に咲かせるナヨクサフジ

ヨーロッパ原産の外来種で、戦後、牧草や緑肥として日本に持ち込まれました。

今では野生化して、河川敷や空き地を一面の紫に染めるほど逞しく自生しています。

ナヨクサフジという名前は、在来種の「クサフジ(草藤)」に似ているけれど、全体的に茎や葉が柔らかく、「なよなよとしている」ことから名付けられたと言われています。

でも、実際は生命力が強く、名前とは裏腹なパワフルさがあります。

 

ナヨクサフジの花言葉

ヨクサフジの花言葉は、「世渡り上手」です

自らの茎だけで立つのではなく、近くにある他の植物やフェンスにすばやくツルを巻き付け、空き地や河原に大きな群落を作って広がります。

美しい見た目とは裏腹に、逞しいギャップから皮肉めいた花言葉がつけられたようです。

 

ナヨクサフジには毒性がある?

ナヨクサフジ(弱草藤)は、マメ科ソラマメ属の植物で、有毒成分を含んでおり、全草に毒性があるとされています

シアン化物が含まれており、人間の中毒事件は報告されていないものの、毒性があるため摂取は避けるべきです。

クサフジは食用になる場合がありますが、ナヨクサフジは別種のため十分注意しましょう。

 

なぜ「毒なし」と誤解されやすいのか?

ナヨクサフジはかつて「牧草(飼料)」として導入された経緯があるため、一部の古いデータや家畜向けの視点では「毒性は問題視されない」と片付けられることがありました。

しかし、近年の研究や家庭菜園・野草摂取の観点では、全草に含まれるシアン化物(他者を排除する物質)や種子の毒性が明確に危険視されています

とくに人間やペットにとっては、決して安全な植物ではありません。

 

クサフジとナヨクサフジの違い

クサフジ、ナヨクサフジともにマメ科ソラマメ属で、一見すると見分けがつきにくいです

しかし、よく観察すると決定的な違いがあり、とくに「外来種で毒性が懸念されるナヨクサフジ」と「在来種のクサフジ」を混同しないよう、以下のポイントをチェックしましょう。

 

ナヨクサフジ クサフジ
花びらの長さ 立ち上がり部分が短い 立ち上がりと筒部が同等
花のがく 萼筒の横つく 萼筒の末端につく
小葉の数 茎の両側に10~14枚 茎の両側に18~24枚
茎の質感 なよなよしている しっかりしている
毒性 有毒 人に対してはごく弱い毒性

 

ヨクサフジは「世渡り上手」な外来種として、在来種であるクサフジの生息域を脅かしています

もし道端で一面を埋め尽くすように群生し、花の付け根が膨らんでいたら、それは高確率でナヨクサフジなので観賞用として楽しみましょう。

 

庭に植えても大丈夫?ナヨクサフジの育て方

ナヨクサフジは非常に丈夫な植物です

基本を抑えれば誰でも育てられますが、放置は禁物です!

 

日当たりと置き場所

ナヨクサフジは、日当たりの良い場所で育てると、紫色の花がより鮮やかに、密集して咲きます

日陰でも育ちますが、花つきが悪くなったり、ひょろひょろ間伸びしたりするから注意しましょう。

 

用土と土壌のポイント

土質を選ばずどこでも育つタフさがある一方で、水はけの良い土を好む傾向にあります

マメ科の植物特有の「根粒菌(こんりゅうきん)」が自ら窒素を作り出すため、痩せた土地でも十分に緑を広げることができます。

 

水やりのタイミング

地植えの場合は、基本的に雨水だけで十分です

極端に乾燥する日が続くときは、土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげましょう。

鉢植えの場合は、乾きすぎないように適度に管理するのがポイントです。

 

肥料の必要性

肥料はほぼ不要です

そもそもナヨクサフジ自体が土を豊かにする緑肥として優秀なため、肥料をあげすぎると葉ばかりが茂って、肝心の花が咲かなくなる「つるボケ」状態になることもあります。

ただし、その生命力が仇となることもあるので注意しましょう。

 

ナヨクサフジを「植えてはいけない」と言われる理由

ナヨクサフジがなぜ「植えてはいけない」と言われるのかは、単に「増えるから」が理由ではありません。

周囲の生態系を根絶やしにするほどのシアナミドという天然の除草剤成分を放出しているからです

この物質のせいで、周囲に生えている他の植物や、これから芽を出そうとする植物の成長を強力に阻害してしまいます。

つまり、ナヨクサフジを植えた場所は、最終的に「ナヨクサフジしか生えない場所」になってしまうリスクがあるのです。

 

増えすぎたときの駆除方法

繁殖力の高いナヨクサフジですから、思いがけないほど増えてしまうことも珍しくありません。

しかし、引っこ抜いたくらいでナヨクサフジを駆除するのは難しいです。

以下の方法にて対処しましょう。

 

種ができる前に「根こそぎ」引き抜く

手で雑草を引き抜いて対処するなら、花が咲き終わって種ができる前に抜き取りましょう。

種が地面に落ちると、その後数年にわたって芽を出し続けます。

引き抜いたツルをそのまま地面に放置すると、節から根を出して再生することもあるので、必ず袋に入れて完全に処分してください。

 

除草剤をピンポイントで活用する

手作業で追いつかない広範囲の場合は、市販の除草剤(グリホサート系など)も有効です

ただし、ナヨクサフジが巻き付いている守りたい植物まで枯らさないよう、ハケで塗るなどの工夫をしましょう。

 

遮光して芽吹きを抑える

毎年同じ場所から生えてくるなら、春の芽吹き前に防草シートで覆って日光を遮断するのも一つです

植物は日光が当たらないと光合成ができず、養分を作れなくなり、最終的に枯れるため、遮光は有効な手段と言えます。 

 

まとめ

紫色の花を咲かせるナヨクサフジは、一見すると可憐な野草ですが、その実態は「世渡り上手」という花言葉が示す通り、極めて強靭で計算高い生存戦略を持つ外来種です

かつては緑肥や飼料として持ち込まれた歴史もありますが、全草に毒性(シアナミドなどの有害成分)を含んでいるため、食用には適しません。 

誤食すると消化器系の中毒症状を引き起こす恐れがあるため、とくに小さなお子様やペットのいる環境では注意が必要です。

また、周囲の植物を枯らすシアナミドという天然の除草剤成分の放出や、圧倒的な繁殖力を持つため、庭に植えるときは将来的なことも検討するようにしましょう。

もし増えすぎてしまった場合は、種ができる前に根こそぎ引き抜き、適切に処分することが管理の鉄則です。

在来種のクサフジと見分けながら、適切な距離感で接するようにしてくださいね。

       

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