
庭のお手入れに「伐採」という作業がありますが、これは樹木が不要になったり、庭を整えたりするときに木を倒す作業のことです。
なんとなく大掛かりな作業になりそう…費用がかかりそう…と、不安を抱くかもしれません。
また、伐採と合わせて行う作業に「抜根」というものがありますが、どのような作業をするのかわからない人がほとんどです。
本記事では、伐採・抜根に焦点をあてて、作業内容や費用、それぞれご自身で行うときのコツについて解説します。
伐採・抜根とは
伐採(ばっさい)とは、立木を根元から切り倒す作業のことです。
不要な木を取り除き庭を整備したり、木材として利用したりする目的があります。
伐採をより専門的に分類すると「主伐」「間伐」「除伐」「択伐」の4種類です。
それぞれの作業内容は以下の通りです。
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これらをまとめて「伐採」と呼ぶため、業者に依頼する際は伐採と一括りに伝えて問題ありません。
また、伐採と合わせて行う作業に「抜根」があります。
抜根(ばっこん)とは、木を倒したあとに残る切り株を取り除く作業のことです。
伐採したあと切り株を放置していると、害虫発生や新しい芽が伸びてくるといったリスクがあるため、抜根することをおすすめします。
基本的に抜根は、重労働かつスピーディーに行わなければならないため業者に任せるのが適切です。
伐採・抜根するメリット
庭木を伐採・抜根するには、それなりにメリットが存在します。
木を切り倒すことに悩んでいる人は、いま一度必要性を考えてみましょう。
自然による事故を防げる
木が腐敗したり枯れたりした場合、突然木が倒れてきて事故になる可能性があります。
頭上に倒れてくる、道路に倒れて交通事故を招くなど予期せぬ危険が起こるかもしれません。
また、伐採したあとの切り株を放置していると、転倒のリスクがあります。
育ちきった木を管理(伐採・抜根)することは、暮らしを守ることにつながるのです。
他の植物を健康にできる
木が育ちすぎて、本来であれば行き届くはずだった植物に日光が当たらなくなることがあります。
大きな木が日当たりを遮り、植物が光合成できなかったり、花や実付きが悪くなったりするのです。
せっかく生長しても細くて弱いひょろひょろな木になってしまうこともあります。
本当に必要な樹木なのか正しく判断しましょう。
害虫発生のリスクを妨げる
木が枯れたり腐敗したりすると害虫発生の原因になります。
そのような木を伐採せず放置していると、木が病気になることも十分あり得ます。
また、伐採したあと切り株を放置していると、シロアリや蜂の巣問題が訪れるので、伐採後の抜根は必ず行いましょう。
新しい植物を植えられる
当たり前ですが、伐採・抜根をして土地を整えると新しい植物が植えられます。
植物好きな人にとっては大きなメリットになるでしょう。
次々に植物を植えてしまうと庭が混雑してしまい、手入れが行き届かなくなるかもしれません。
新しい植物・樹木を迎えるときは、庭を整えてからにしましょう。
庭の自由度が広がる
伐採・抜根して庭を整えることで、自由度が広がります。
植物を植えるだけではなく、インテリアを置いたりデッキを設置したりと楽しみ方を変えることもできるのです。
ライフスタイルの変化とともに庭を新調するのもいいでしょう。
自分で伐採する手順・コツ
次に自分で伐採するときの手順とコツについて解説します。
伐採に必要な道具
伐採作業は、かなりの重労働になります。
大木を切り倒すこともあるため、その分道具も扱いが難しいものもあります。
必ず無理をせずに、道具の使い方・手順をしっかり理解してご自身で伐採するか検討しましょう。
木の伐採に必要な道具
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日常でノコギリ・チェーンソーを使う人は少ないかもしれません。
木を切り倒すときに必要になるため、ご自身で伐採するときはしっかり使い方を把握した上でサポートしてくれる人材も用意しておきましょう。
ロープは木を倒す方向を制御するために使います。
剪定バサミは枝葉を切るために、シャベルは土を掘るときに活用します。
また、伐採した木を処分するときにトラックに乗せることがあるため、木のサイズや処分方法などに合わせてトラックの必要性を検討しましょう。
伐採の手順
ご自身で伐採するときの手順は以下の通りです。
自分で伐採する手順
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1.木のお清めをする
木には守神が宿ってるという言い伝えがあります。
まずは、伐採する庭木に塩と酒を撒いて感謝の気持ちを伝えましょう。
ただし塩が残ると庭木に悪影響があるため、少量で十分です。
2.木を倒す方向を決める
次に木を倒す方向を決めます。
これは怪我や事故を防止するためです。
「人の通り道がないか」「周囲に建物や車など傷つけるものがないか」「木に特徴はないか(木が斜めになっているなど)」など危険がないかチェックしましょう。
3.邪魔な枝を切り落とす
方向が決まれば、伐採するときに邪魔になる枝を切っていきます。
木の上から順に枝を切っていくと下の枝に引っ掛かり伐採しづらくなるため下の枝から細かく切るのがポイントです!
4.幹を切る
枝を切り落としたら幹を切る作業に入ります。
木を倒す方向に切り込みをいれて、反対側から切っていきましょう。
一息で切り倒してしまうと切り込みのズレや予想外の倒れ方になる危険があるからです。
反対側から切り込みをいれたら木を支えながら揺すって倒します。
ここまでが伐採作業になります。
補助金制度
各自治体によって条件や内容は変わりますが、危険な木の伐採に対して補助金制度が設けられています。
大雨・台風・土砂災害など、自然災害の影響で大木が倒れてしまうと危険です。
被害を抑えられるように、伐採費用の一部を自治体が負担しているのです。
ただし、補助制度を受けるには危険な木以外にも条件があります。
自治体によって定めている条件は異なるため、詳しくはお住まいの自治体にお問い合わせください。
補助制度の条件例
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伐採した枝の処理方法
伐採した木を処理するには、主に4つの方法があります。
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家庭ゴミとして回収日に出すことができれば無料で処理できます。
一般的に可燃ごみとして扱われており、袋に入るサイズに枝葉を切りましょう。
自治体によっては、枝葉を回収対象外にしていることがあるので確認は必須です!
地域のゴミ処理施設へ持ち込む・不用品回収業者を利用する場合でも、ゴミ袋に詰めるようにしましょう。
伐採と合わせて抜根を行うとき、業者に依頼することがほとんどかと思います。
その場合は処理は業者にお任せが一番です。
別途費用がかかるかもしれませんが、危険や手間は大きく省けます。
伐採を依頼したときの費用相場
伐採を業者に依頼するときの費用は、高さ3m未満であればおよそ3,000〜5,000円程度/1本です。
5m未満であれば8,000〜10,000円、それ以上になると20,000円を超えてきます。
ただ、これはあくまで相場であり、木のサイズや種類、庭の状態、業者によって価格が変わるため見積もりをとって正確な費用を把握しましょう。
自分で抜根するコツ・注意点
自分で抜根するのは少々困難です。
相当な力作業になるためサポートしてくれる人材を数名用意しておきましょう。
また、怪我防止のために長袖長ズボン・軍手を着用することをお忘れなく!
抜根に必要な道具は伐採と同じものです。
大きい株の場合、ハンマーがあると便利でしょう。
手順は以下を参考にしてください。
抜根作業の手順
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抜根するときは、植物・インテリア・建物を傷つけないように注意しましょう。
また、切り株に害虫が発生している可能性があります。
駆除しながら進めるか、危険を感じたら気をつけてすぐ業者に依頼するようにしてください。
とくに伐採から抜根まで月日が空くと害虫が発生しやすくなります。
抜根を依頼したときの費用相場
抜根を業者に依頼した場合、直径15cm未満であれば3,000円程度。
直径30〜50cmほどになれば、7,000〜20,000円程度が相場です。
伐採と同じく、大きさや木の状態、業者によって価格が変わるのできちんと見積もりをとりましょう。
伐採と抜根、伐採と抜根と処理を合わせたパターンの見積もりを用意してもらうことをおすすめします。
サービス一覧
TAKUMeeでは、専門技術の高さと豊富な経験を有する造園業者を厳選し、複数の地元造園業者からの無料見積もりをご案内しております。
伐採・抜根にまつわるサービスも併せて紹介するので、ご確認いただきお気軽にご相談ください。
サービス一覧 | 費用の相場 |
伐採 |
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抜根 |
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剪定 |
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処分 |
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雑草駆除、対策 |
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消毒 |
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表の費用は、およその相場です。
庭の状態や木の種類、サイズ、作業者の人数など業者によって価格が異なります。
また、重機や特殊な道具が必要になれば費用はかさみます。
予算を立てるためにも、見積もりや現地調査を行ってもらい検討しましょう。