【監修】上腕三頭筋のトレーニング方法|効率よく筋トレするポイントも紹介

腕の筋肉の大半を占める上腕三頭筋。
トレーニングすることで、腕が太くなったり、二の腕が引き締まったりと男女ともに嬉しい効果があります。
一方、「上腕三頭筋と上腕二頭筋は何が違う?」「どうやったら鍛えられる?」とわからないことも多いでしょう。
そこで今回の記事では、上腕三頭筋の詳しい情報やトレーニング方法、効率よく鍛えるポイントを紹介します。
目次
上腕三頭筋とは

上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)とは、腕の後ろ側(フリソデの部分)の筋肉のことです。
いわゆる二の腕にある筋肉で、腕を前や上に向かって伸ばす、肘を伸ばす動作に関わります。
上腕三頭筋は、三つの頭(長頭・外側頭・内側頭)から構成されており、それぞれの働きは以下の通りです。
長頭 | 肘を後ろに伸ばす、腕を内側に回すときに作用する筋肉 |
外側頭 | 肘を伸ばすときに作用する筋肉 |
内側頭 | 外側頭の補助をする筋肉 |
上腕三頭筋と上腕二頭筋の違いは?
上腕三頭筋と上腕二頭筋、どちらも腕の筋肉のことです。
上腕二頭筋は腕の前面(力こぶの部分)に位置し、上腕三頭筋は腕の背面(フリソデの部分)に位置します。
また、上腕二頭筋は「肘を曲げる動作」・上腕三頭筋は「肘を伸ばす動作」に関与します。
どちらも同様に、腕の太さや動作に関わる役割を担っており、重要な筋肉なのです。
上腕三頭筋を鍛えるとどんな効果がある?
上腕三頭筋を鍛えると、身体を動かすときに必要となる、動作パワーと安定力が向上しやすくなります。
また、トレーニングのパフォーマンスも上がるため相乗効果にも期待できるでしょう。
他にも、二の腕のたるみ解消・予防、ハリといった見た目の変化も実感できるはずです。
上腕三頭筋を鍛えるおすすめトレーニング
上腕三頭筋を鍛えるトレーニングメニューを紹介します。
動画や画像でやり方を解説しているので、動きをチェックしましょう。
ナローベンチプレス
ナローベンチプレスは、通常のベンチプレスとは違い、バーベルを持つ手幅を狭くして負荷を集中させるトレーニングです。
主に、上腕三頭筋・大胸筋・三角筋にアプローチすることができますが、とくに上腕三頭筋へ負荷をかけることができます。
関節可動域が小さいトレーニングになるため、ナローベンチプレスは序盤に行いましょう。
重めのナローベンチプレスで上腕三頭筋にしっかり効かせて、その後の他メニューは軽めに実施すると効果的です!
撮影協力:DTx FIT
ナローベンチプレスのやり方
- ベンチの上に仰向けになる
- 肩幅または、やや狭めでバーベルを握る
- みぞおちから真っ直ぐバーベルを持ち上げる
- そのまま真っ直ぐバーベルを下げる
- これを繰り返す
(目安:筋肥大10〜15回/引き締め15〜20回)
胸を張って、肘はしめた状態で実施しましょう。
大胸筋・上腕三頭筋がしっかり伸びていることを意識するのがポイント!
バーベルを持ち上げるときに、手首が反らないように注意してくださいね。
ベンチディップ(リバースプッシュアップ)

ベンチディップ(リバースプッシュアップ)は、上腕三頭筋の自重トレーニングです。
自宅で行うときは、ベンチや椅子など安定していて、高さがあるものを利用しましょう。
比較的、負荷が低いので筋トレ初心者や自宅トレーニングをはじめたい人におすすめです。
ベンチディップのやり方
- ベンチ(椅子など)に両手をつく
- 足を前に真っ直ぐ伸ばす
- 肩甲骨を寄せて、胸を張る
- 肘が90度になるように、身体をゆっくり下げる
- 肘を伸ばして、元の位置に戻る
- これを繰り返す
(目安:筋肥大10〜15回/引き締め10〜15回)
肩甲骨を寄せることで、肩への負担を軽減し、上腕三頭筋への負荷を集中させることができます。
似た種目にディップスがありますが、こちらは大胸筋と上腕三頭筋を鍛えることができ、上腕三頭筋に集中してアプローチしたい場合は、ベンチディップがおすすめです。
フレンチプレス

フレンチプレスは、ダンベルやバーベルを負荷にし、上腕三頭筋を鍛える筋トレです。
二の腕の引き締めや上腕三頭筋の強化、美しい腕のラインづくりに期待できます。
筋肉がつきやすい男性の場合は、フレンチプレスを継続することで上腕三頭筋が発達し、たくましい腕をつくることができるでしょう。
トレーニングに使うダンベルは、5〜10kg程度がおすすめです。
フレンチプレスのやり方
- 背筋を伸ばしてダンベル(またはバーベル)を両手で持つ
(ベンチなどに座って実施もOK) - ダンベルを持つ両手を頭の後ろにセットする
- 肘は耳の横に近づける
- 肘をゆっくり伸ばし、ダンベルを頭上に持っていく
- ゆっくり肘を元の位置に戻す
- これを繰り返す
(目安:筋肥大8~12回/引き締め15〜20回)
フレンチプレスの効果を最大限に生かすには、正しいフォームで実施することが大切です。
肘がダンベルに負けてぐらつかないように、固定し、下ろすときも重力に頼らないようにしましょう。
マシンやチューブでも実施できるので、ジム利用をする場合は確認してみてくださいね。
ダンベルキックバック

ダンベルキックバックは、自宅でもできる初心者向けのトレーニングです。
上腕三頭筋にダイレクトに効かせることができ、とくに長頭を鍛えられます。
ダンベルを使って筋トレしますが、サポートの人がいる場合はタオルの端を持ち、引っ張り合いでトレーニングすることも可能です。
ダンベルキックバックのやり方
- 1.左手・左足をベンチに乗せる
- 左足は膝を曲げて90度にする
- 上体はやや前傾気味に、背筋は伸ばす
- 右手にダンベルを持ち、肩から肘までを平行する
- 小指が真上に上がるように、肘を後ろに床と平行に伸ばす
- ゆっくり元の位置に戻す
- これを左右繰り返す
(目安:筋肥大10~12回/引き締め10〜15回)
使うダンベルは、2〜3kgからはじめましょう。
負荷も大切ですが、フォームが崩れてしまうと効果が半減したり、怪我を伴ったりする可能性があるからです。
ダンベルが軽いかも…と思うようになったら、ステップアップしてくださいね。
トライセプスプレスエクステンション

トライセプスプレスエクステンションは、上腕三頭筋を集中的に鍛えるトレーニングです。
「トライセプス=上腕三頭筋」「エクステンション=伸ばす」という意味で、肘を伸ばして負荷をかけて筋肉を成長させます。
トレーニング方法は、バーベルやダンベル、ケーブルマシンとさまざまありますが、ここではダンベルを使ったトレーニングのやり方を解説します。
トライセプスプレスエクステンションのやり方
- ベンチに仰向けになり、ダンベルを手に持つ
- 手は真っ直ぐ天井に向けて伸ばす
(手首は前向き・足の方向) - 手首を内側に捻りながら肘が90度になるように曲げていく
(手首は顔向き・耳の横へ誘導) - 手首を捻りながら元の位置に戻す
- これを繰り返す
(目安:筋肥大10~12回/引き締め10〜12回)
ダンベルを下ろすとき、肘を耳の後ろにまでいかないよう注意しましょう。
90度を目安(耳の横まで)にすることをおすすめします。
また、ダンベルを握る指に力が入りすぎないように気をつけてください。
正しいフォームがキープできなかったり、効かせたい部位への効果が半減したりしてしまい、また怪我を伴う可能性があります。
クローズグリップダンベルプレス

クローズグリップダンベルプレスは、上腕三頭筋の全体を鍛えることができる筋トレです。
このトレーニングは、重量の負荷が非常にかかるので、エネルギーがあるトレーニングの最初にすることをおすすめします。
フラットベンチを用いるのですが、フラット、または背もたれをやや持ち上げて実施する方法があります。
どちらも手順は変わらないので、やりやすい姿勢で行いましょう。
クローズグリップダンベルプレスのやり方
- ベンチに仰向けになり、足は床につけて安定させる
- ダンベルを両手に持ち、肩の上に持ち上げる
- 手のひらを向き合わせて、ダンベルをピッタリ引っ付ける
(ダンベルの角度を調整) - その状態のままダンベルを胸まで下ろす
(肘は開かない) - これを繰り返す
(目安:筋肥大8~12回/引き締め10〜15回)
トレーニング中は、呼吸が乱れないように注意し、ゆっくりダンベルをアップダウンさせましょう。
持ち上げるときに腰が反ってしまったり、下げるときに肘が開いてしまったりすると、フォームが崩れてしまうので注意してください。
クローズグリップダンベルプッシュアップ

クローズグリップダンベルプッシュアップは、一般的なプッシュアップ(腕立て伏せ)よりも上腕三頭筋に効かせることができます。
この種目で使用するフラットダンベルは、丸い形をしており、取手がついたものです。
ダンベルを使うことで、手首への負担は軽減できますが、バランスを保つのが難しい種目になるため慣れるまで十分気をつけましょう。
クローズグリップダンベルプッシュアップのやり方
- 2つのダンベルを平行に並べて、腕立て伏せの姿勢になる
- それぞれの手にダンベルを握り、プッシュアップ
- これを繰り返す
(目安:筋肥大8~12回/引き締め10〜15回)
通常のプッシュアップ同様に、肘は身体の側面に沿って動かし、身体から離れないようにします。
床と平行に、ギリギリまで下ろして、腕を伸ばして元の位置に戻ります。
身体を一直線に保ち、腰が落ちたり、突き出たりしないようフォームを守りましょう。
ナローグリッププッシュアップ

ナローグリッププッシュアップは、マシンも器具も使わない自重トレーニングです。
基本のプッシュアップ(腕立て伏せ)において、手幅を肩幅より狭くしてトレーニングします。
主に、上腕三頭筋を鍛えられる筋トレですが、大胸筋の内側も鍛えることができ、見た目も美しく筋肉をつけることができるでしょう。
ナローグリッププッシュアップのやり方
- 床にうつ伏せになり、手のひらで身体を持ち上げる
- 手のひらを肩幅より狭くセットする
(手のひらが隣り合うくらい狭くしてもOK) - 足は肩幅に開き、身体を一直線に保つ
- 肘を曲げて、床ギリギリまで下げる
- 肘を伸ばして元の位置に戻る
- これを繰り返す
(目安:筋肥大10以上/引き締め20回以上
肘は身体の側面に沿わせ、脇が開かないように意識しましょう。
負荷を手幅の調整によってコントロールできるので、初心者でも取り組みやすいです。
上腕三頭筋を効率よく鍛える5つのポイント

上腕三頭筋を鍛えるトレーニングは、ナローベンチをはじめたくさんあります。
どの種目も効率よく上腕三頭筋に効かせるために、以下5つのポイントを押さえて筋トレに励みましょう。
筋トレ前に十分ストレッチを行う
上腕三頭筋のトレーニングに限らずですが、筋トレ前には十分ストレッチを行いましょう。
筋肉が硬いままトレーニングをしてしまうと、可動域が広がらず、また怪我を伴う可能性があります。
肩を回したり、胸を広げたりする動的ストレッチを行い、筋肉を温めて柔軟性を高めることがポイントです!
自分に適切な重量を扱う
トレーニングの際は、自分に適切な重量を選ぶことが大切です。
早く結果を出したいからといって、重すぎると怪我を伴うリスクがあり、軽すぎると十分な効果が得られません。
努力したら10回程度扱える重さが最適で、トレーニングのラスト2〜3回がやや苦しいくらいがおすすめです。
1セットごとに休憩して、3セットを基準に自分の筋肉の成長に合わせて、負荷をステップアップしましょう。
筋トレ後は栄養補給をする
筋トレ後は、筋肉が破壊している状態なので早い回復を促すために栄養補給をしましょう。
たんぱく質・ビタミン・糖質を積極的に摂取することをおすすめします。
トレーニング後30分以内をゴールデンタイムと呼び、手軽に摂取できるプロテインなどを利用してみては?
近年では、イチゴやチョコレート、バナナなどさまざまな味のプロテインが販売されています。
飲みやすいものからはじめたり、ジムトレーナーに推奨商品を聞いてみたりしながら、継続できるものを見つけてくださいね。
良質な睡眠時間を確保する
筋肉の発達には、十分な睡眠も重要です。
睡眠中に成長ホルモンが分泌され、トレーニングによって疲労した筋肉の回復と強化を促進するからです。
一方、睡眠不足に陥ると筋肉の回復・成長は望めず、トレーニングの成果も生かすことができません。
理想の睡眠時間は、7〜8時間程度!
深く、良質な眠りにこだわるために、ゆっくり入浴したり、ブルーライト対策したりして睡眠を確保しましょう。
高負荷トレ・低負荷トレを行う
上腕三頭筋をたくましく鍛えたいときは、高負荷トレ・低負荷トレを組み合わせましょう。
高負荷トレとは、バーベルやダンベルを使った、主にジムで利用するようなトレーニングです。
一方、低負荷トレは自重トレーニングのことで自宅トレがほとんど。
高負荷トレと低負荷トレどちらも取り入れることで、限界まで追い込み、その刺激が上腕三頭筋を効率よく鍛えることにつながるのです。
ジムトレーニングでは、大きな筋肉を鍛え、自重トレーニングでは、細かな筋肉にアプローチすることを意識しましょう。
上腕三頭筋の筋トレはジム・自宅の二軸がおすすめ!

上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)は、腕の大部分を支える筋肉です。
腕の背面、いわゆる二の腕を指し、似た部位の上腕二頭筋は腕の前面(力こぶ)のことを言います。
上腕三頭筋を鍛えることで、たくましい腕・メリハリのある腕に成長させることが可能!
そのために、高負荷トレーニングと低負荷トレーニングを組み合わせて、効率よく鍛えましょう。
ジムに通いながら、自宅でもトレーニングするのがおすすめです!
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トレーナーのインタビューをはじめ、実際の体験内容や口コミなど、情報を盛りだくさん掲載しているので、ぜひジム選びの参考にしてくださいね。
