脊柱起立筋を鍛えるトレーニング|自宅でできる自重&ダンベル・マシン筋トレ

脊柱起立筋をトレーニングすることは、姿勢改善や腰痛改善に役立ちます。
「ぽっこりお腹を無くしたい」「猫背を改善したい」という人には、ぜひ取り組んでほしい種目です。
今回の記事では、脊柱起立筋について詳しく解説し、鍛える方法(ストレッチ・自重トレーニング・ダンベルトレ・マシントレ)を動画やイラスト付きで紹介します。
目次
脊柱起立筋とは

脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)とは、背骨に沿って縦に走る大きな筋肉群の総称です。
腸肋筋・最長筋・胸棘筋・頭棘筋・頚棘筋の5つの筋肉から構成されており、正しい姿勢を維持するのに大きな役割を担っています。
脊柱起立筋が背骨をしっかり支えて、体を反らしたり、左右に傾けたりする動きをサポートします。
5つの筋肉の働きについて、以下にまとめました。
| 腸肋筋(ちょうろくきん) | 脊柱起立筋の一番外側にある筋肉 背骨を支え、姿勢を維持する役割を持つ |
| 最長筋(さいちょうきん) | 背骨の両側に沿って縦に走る長い筋肉 脊柱を伸ばす、側屈させる役割を持つ |
| 胸棘筋(きょうきょくきん) | 胸椎の棘突起に沿って位置する筋肉 背骨を反らす動作に関与、姿勢や背骨をサポート |
| 頭棘筋(とうきょくきん) | 首の後ろ側、頭蓋骨と頸椎の間にある筋肉 頭部の伸展や側屈、回旋の動作に関与 |
| 頚棘筋(けいきょくきん) | 頸椎の棘突起に沿って存在する筋肉 背骨を支える役割を持つ |
脊柱起立筋が弱いとどうなる?
脊柱起立筋は、日常生活の動作を支える重要な筋肉です。
その筋肉が弱くなったり、衰えてしまったりすると姿勢が悪くなり、腰痛を引き起こす原因になります。
他にも、背中や腰が硬くなり「なんとなく痛い、だるい」と感じたときは、脊柱起立筋が弱っているのかもしれません。
脊柱起立筋を鍛えるメリット

脊柱起立筋を鍛えるとどのようなメリットがあるのか、具体的に見ていきましょう。
姿勢の改善
脊柱起立筋を鍛えることで、脊椎を正しい位置にキープすることができます。
よって猫背やストレートネックが改善し、綺麗な背中を目指せます。
一方で、脊柱起立筋が凝り固まったり、鍛えすぎたりして硬くなると反り腰になる可能性もあるでしょう。
そのため、トレーニングと併せて、ストレッチも実施することが大切です。
引き締まった背中
年齢とともに、背中に脂肪が乗りやすくなります。
そうすると、もたついた後ろ姿になってしまうでしょう。
背中の脂肪を落とすためには、大きな筋肉から鍛えることが重要!
脊柱起立筋は、背面を支える大きな筋肉であり、その大きな筋肉を鍛えることで基礎代謝が上がります。
代謝が上がると太りにくく痩せやすい体質になることが可能です。
脊柱起立筋と併せて、背筋の大きな筋肉に値する、広背筋や僧帽筋も鍛えるとなお引き締まった背中になれます。
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肩凝り・腰痛の予防
脊柱起立筋が弱くなると、腰の安定が悪くなり緩やかに反っているはずの腰椎が真っすぐになってしまいます。
これが、いわゆる猫背です。
この状態が長く続くとヘルニアが発症したり、肩凝りや頭痛を併発したりする恐れがあります。
また、日常でふとした瞬間にぎっくり腰になる可能性も高まるでしょう。
背筋を鍛えれば、筋肉の温度が上昇し、緊張がほぐれます。
そうすることで肩凝りや腰痛予防・緩和につながるので、デスクワークが中心の人や高齢者はとくに脊柱起立筋トレーニングを取り入れましょう。
スポーツパフォーマンスの向上
脊柱起立筋は、体幹を安定させる働きもあり、鍛えることで、全身の動作がスムーズになります。
日常動作はもちろんのこと、スポーツパフォーマンスの向上にもつながるのです。
野球やサッカー、ラグビーなど体幹の強さが重要視されるスポーツの運動効率が改善したり、バランス能力が向上したりします。
脊柱起立筋の柔軟性を高めるストレッチ

脊柱起立筋トレーニングをする前に、筋肉をほぐすストレッチを実施して、効果を高めましょう。
背骨を丸めたり、反らしたり、左右に倒したりする動きがおすすめです。
ストレッチのやり方
- 仰向けになり、股関節を曲げて両膝を持ち上げる
- 両膝を両手で抱えて、胸に引き寄せる
- その状態で20秒キープ
- 元の姿勢に戻る
ストレッチ中は、深くゆっくり呼吸することを心掛けましょう。
脊柱起立筋を鍛える自重トレーニング
ここからは、脊柱起立筋を鍛えるためのトレーニングについて解説します。
マットを敷けるスペースがあれば十分実施することが可能です。
テレビを見ながら習慣化しましょう!
バックエクステンション

バックエクステンションは、うつ伏せになって上体をアップダウンさせる筋力トレーニングです。
背中を鍛えられ、とくに背骨に沿って走る脊柱起立筋を鍛えるのに効果的です。
マシンやバランスボールを使って実施するバックエクステンションもありますが、ここでは基本のやり方を紹介します。
バックエクステンションのやり方
- 真っ直ぐうつ伏せになり、両手を前に伸ばす
- 胸と床を離すように上体をあげる
- 無理がない位置まであげたら元の位置に戻る
- これを繰り返す
(目安:10回×3セット)
反動を使って上体を起こさないようにしましょう。
背中全体で起き上がることを意識するのがポイントです!
一回ずつの動作を丁寧に行い、上体をあげる際に息を吐き、元の位置に戻る際に息を吸うと効果を上げられます。
バードドッグ

バードドックは、体幹(インナーマッスル)と脊柱起立筋を鍛えられるトレーニングです。
四つん這いの姿勢から手足を伸ばすシンプルな動作に思えますが、体幹・背中以外にも肩や股関節にもアプローチできる種目なのです。
正しい姿勢で行うことが重要なので、回数やキープ時間よりも姿勢を意識しましょう。
バードドッグのやり方
- 四つ這いの姿勢になる
- 右手と左足が平行になるように真っ直ぐ伸ばす
- 手足を上げた状態で20秒キープ
- ゆっくり元の位置に戻る
- これを繰り返す
(目安:左右3セット)
手足は高い位置をキープしましょう。
下がってしまうと効果が減少してしまうので要注意です!
また、背中が丸まったり反ってしまったりしまわないように、お腹に力を入れて実施しましょう。
体幹の安定性や基礎代謝の向上に効果的です!
プランク

プランクは、体幹(インナーマッスル)を鍛えるトレーニングとして知られています。
脊柱起立筋を含む体幹だけではなく、腹直筋・腹斜筋・腹横筋・肩・腕・脚などの全身筋肉をバランスよく鍛えることができます。
反り腰や猫背が強い人は、腰に負担がかかりやすいので注意しましょう。
プランクのやり方
- うつ伏せになり、両肘を床につける
(手はグーでもパーでもOK) - つま先を立てて、身体を一直線に支える
- 顎を引いて、目線は斜め前
- 10〜30秒キープ
プランクも正しい姿勢で実施することが重要です。
負荷に耐えられず、お尻が落ちたり、腰が反ったりしやすくなるため、頭からかかとまでを一直線にするよう意識しましょう。
脊柱起立筋を鍛えるマシン・ダンベル筋トレ
次に、脊柱起立筋を鍛えるマシン・ダンベルトレーニングを紹介します。
自重よりも負荷がかかるため、筋トレ初心者や不安がある人はジムで正しい姿勢や負荷を指導してもらいながらトレーニングを習得しましょう。
デッドリフト
デッドリフトは、脊柱起立筋を鍛えるトレーニングの中で最も有名であり、基本の種目です。
バーベルを持ち上げて、下ろすというシンプルな動作ですが、その動きには脊柱起立筋以外の筋肉にも大きく関わり、高重量になればなるほどトレーニング強度も高まります。
撮影協力:パーソナルジム T.J.GREEN GYM吹田豊津駅前店
デッドリフトのやり方
- 足を肩幅程度に開き、つま先は軽く外側に向ける
- バーベルをやや肩幅程度の位置で握る
(手のひらは下向き(オーバーグリップ)) - 胸を張り、背筋を伸ばし、お尻を後ろに引く
- バーベルを身体に沿わせながら持ち上げる
(お腹に力を入れて、体幹を安定させる) - ゆっくりとバーベルを膝下まで下ろす
- これを繰り返す
(目安:筋肥大7〜12回・引き締め12〜20回×3セット)
デッドリフトを実施するときは、正しい姿勢を意識しましょう。
背中を丸めない、腹圧をしっかりかけることが重要です。
怪我のリスクや腰への負担を軽減するためにも、適切な重量設定をすることも大切です。
グッドモーニング

グッドモーニングは、背中や腿裏の筋肉を鍛えるのに効果的な種目です。
とくに脊柱起立筋やハムストリングスに刺激を与えます。
これで体が目を覚ますことからワークアウトに向けた、ウォーミングアップとして取り入れるのがおすすめです!
グッドモーニングのやり方
- バーベルを肩の筋肉(三角筋・僧帽筋)にセット
- 足を肩幅に開き、背筋を伸ばして立つ
- 背中を丸めないように前傾姿勢になる
- お尻を後ろに引きながら、もも裏が伸びるまで倒す
- ゆっくり元の位置に戻る
- これを繰り返す
(目安:筋肥大10回・引き締め20回×3セット)
腰に不安がある人は、グッドモーニングは控えましょう。
背中が丸まらないように常に背筋を伸ばし、視線は前に向けるのがポイントです。
最初は、軽めの重量で実施し、徐々に重くするようにしてください。
ダンベルローイング

ダンベルローイングは、背中の筋肉を鍛えるための筋力トレーニングです。
脊柱起立筋をはじめ、広背筋や僧帽筋、菱形筋、三角筋を鍛えることができ、また上腕二頭筋にも効かせることができるので「力こぶ」を作りたい人も取り組みましょう。
初心者でも簡単に実施することができますが、正しい姿勢がポイントになるので闇雲に行うのではなく丁寧にトレーニングしましょう。
ダンベルローイングのやり方
- ベンチに肘を伸ばした片手・膝を曲げた片足を置く
(両肩と骨盤が平行になる姿勢) - 地面についている片足はやや斜め後ろで踏ん張る
- 片手でダンベルをしっかり握り、親指が正面に向くように持つ
- ダンベルを持つ肩をしっかり下げる
- 肘を骨盤に向かって、半円を描くように引く
- 骨盤の高さまでダンベルを引いて、背中の筋肉を縮める
- 同じ軌道で半円を描くように元の位置に戻す
- これを繰り返す
(目安:片腕8〜10回×3セット)
【監修】上腕二頭筋トレーニング|ダンベル&自重筋トレメニュー7選
バーベルベントオーバーロウ

バーベルベントオーバーローは、主に背中を鍛えられるトレーニングです。
脊柱起立筋・広背筋・僧帽筋・ 上腕二頭筋にアプローチすることができ、正しいフォームで行うことで、背中の厚みと広がりを効果的に作れます。
初心者でも比較的取り入れやすいですが、まず軽い重量で正しいフォームを習得することから始めましょう。
バーベルベントオーバーローのやり方
- バーベルをセットし、足を肩幅に開く
- バーベルを肩幅より少し広めに握る
- 膝を軽く曲げ、お尻を後ろに突き出し前傾姿勢をつくる
(背筋を伸ばした状態を保つ) - バーベルを足の付け根に向かって引き上げる
- ゆっくり元の位置に戻す
- これを繰り返す
(目安:筋力強化8〜12回・ダイエット15〜20回×1セット以上)
背中の引き締めに効果的ですので、年齢とともに衰えやすい背中のたるみが気になっている人はぜひ積極的に取り組みましょう。
ただし、フォームが正しくないと効果を得られないだけではなく、怪我のリスクにもつながります。
重量の増加よりもフォームの習得が先です!
脊柱起立筋と一緒に鍛えたい筋肉

脊柱起立筋と一緒に、他の部位も筋力を増やすと、姿勢改善や肩凝り・腰痛解消にさらに効果的です。
トレーニングの参考になる詳細ページもぜひご確認ください。
体幹
体幹(インナーマッスル)を鍛えることで、身体の安定性が向上し姿勢改善につながります。
他にも、体幹の働きには日常生活のスムーズな動作や内臓を支える役割があります。
腰痛・怪我予防や運動能力の向上にも役立つ筋肉です。
体幹におすすめのトレーニング
- プランク
- レッグレイズ
- デクラインシットアップ
…など
【監修】腹直筋の鍛え方|腹筋に効かせるおすすめのトレーニングメニュー
肩甲骨
肩甲骨や背中まわりの筋肉は、脊柱起立筋と連動している筋肉です。
背中の筋肉が弱い(衰える)と脊柱起立筋に負担がかかり、背中や腰に痛みがでたり、肩凝り・頭痛を引き起こしたりします。
また、可動域が狭まり、慢性的な痛みやだるさを感じるかもしれません。
脊柱起立筋と合わせて、肩甲骨や背中まわりを鍛えることで、上半身を支え、柔軟性や歪み・痛み・衰え予防を強化しましょう。
肩甲骨におすすめのトレーニング
- ラットプルダウン
- ダンベルローイング
- 懸垂
…など
背中の筋肉「広背筋」を鍛える自重・マシン・ダンベルのトレーニング方法
大臀筋
大臀筋は、下半身の中で最も大きな筋肉です。
下半身を支え、腰椎や骨盤の安定性を保つ重要な部位であり、脊柱起立筋と合わせて、鍛えることで姿勢の悪さが原因で引き起こす腰痛が改善します。
基礎代謝も上がり、太りにくく痩せやすい体づくりにも一役かいます!
大臀筋におすすめのトレーニング
- バーベルヒップリフト
- スクワット
- ドンキーキック
…など
ヒップアップに効果絶大!最強の大臀筋トレーニング&メリット・筋トレのコツ
脊柱起立筋を鍛えて見た目・身体機能を向上させよう!

脊柱起立筋は、背骨に沿って縦に走る大きな筋肉です。
5つ(腸肋筋・最長筋・胸棘筋・頭棘筋・頚棘筋)の筋肉から構成されており、身体を支えて正しい姿勢や柔軟な動作のサポートを促します。
脊柱起立筋を鍛えることで、背中が引き締まり見た目にも美しい仕上がりを目指せます。
また、姿勢改善や肩凝り・腰痛の改善、予防にも役立ち、身体機能の向上も期待できるでしょう。
脊柱起立筋トレーニングは、自重でも行うことができるため自宅トレも可能!
ながら時間を利用して行いましょう。
また、ダンベルやマシンを使ったトレーニングは、より負荷をかけて鍛えることができるのでおすすめです。
ただし、どの種目も正しいフォームで実施することが重要なため『やり方』をしっかり把握しトレーニングに取り組みましょう!
筋トレ初心者やフォームに不安がある人は、トレーナー指導も検討してみてくださいね。





