大腿四頭筋(前太もも)を鍛える効果とは?ストレッチ・トレーニング方法を解説

「引き締まった足になりたい」「最近立ったり、座ったりするのがしんどい」そんな人は、下半身の筋力を向上させると解決するかもしれません。
前太ももの筋肉『大腿四頭筋』は、日常生活の動作をサポートし、筋肥大や基礎代謝を上げてボディメイクにも役立ちます。
簡単なストレッチから自重トレーニング、ダンベルやマシンを使ったトレーニングまで幅広く解説しているので、ぜひポイントを押さえながら実施してみてください。
目次
大腿四頭筋とは

大腿四頭筋(だいたいしとうきん)とは、前太ももの筋肉の総称です。
大腿直筋・外側広筋・内側広筋・中間広筋の4つの筋肉で構成されており、それぞれの働きにより歩く、走る、上る、下る、跳ねる、伸ばすなどの日常的な動作を行っています。
4つの筋肉それぞれの役割について確認しましょう。
| 4つの筋肉 | 役割 |
| 大腿直筋(だいたいちょっきん) | 股関節の屈曲と膝関節の伸展 |
| 内側広筋(ないそくこうきん) | 膝関節の伸展と膝蓋骨の安定 |
| 中間広筋(ちゅうかんこうきん) | 膝関節の伸展 |
| 外側広筋(がいそくこうきん) | 膝関節の伸展 |
大腿四頭筋が弱いとどうなる?
大腿四頭筋が弱いと、日常生活に支障をきたします。
- 歩行困難
- 膝の痛み
- 転倒のリスク
- 姿勢の悪化
…など
4つの筋肉の役割からもわかるように、膝関節の伸展に深く関わる筋肉であるため、筋力低下は膝の不安定さや痛みを引き起こす原因になります。
大腿四頭筋トレーニングは、高齢者にもおすすめです。
大腿四頭筋と一緒に鍛えたい筋肉
大腿四頭筋と一緒に鍛えたい筋肉は、下半身です。
- ハムストリングス
- 大臀筋
- 内転筋
- 下腿三頭筋
…など
これらの筋肉をバランスよく鍛えることで、お尻からかかとまでの筋力を向上させることができ、下半身の引き締め、歩行や上り下りなどの日常動作の改善につながります。
大腿四頭筋を筋トレする効果

大腿四頭筋を鍛えるとどんな効果があるのか、具体的に紹介します。
基礎代謝が上がる
大腿四頭筋は、前太ももを支える大きな筋肉です。
大腿四頭筋トレーニングを行うことで、太ももはもちろんのこと、大臀筋やハムストリングといった周辺筋肉も鍛えられるため筋肉量を増やすことができます。
大きな筋肉を鍛え、筋肉量が増えることで基礎代謝が上がり「太りにくく痩せやすい」身体づくりができるのです。
ダイエット目的の人もぜひ大腿四頭筋にまつわる筋トレを行いましょう。
姿勢がよくなる
下半身を鍛えることで姿勢もよくなります。
姿勢改善には、腹部のトレーニングのイメージがあるかもしれませんが、上半身だけではなく大腿四頭筋・ハムストリング・下腿三頭筋も鍛えると姿勢を維持する土台づくりができるのです。
太ももが引き締まる
大腿四頭筋トレーニングは、理想的なボディメイクに一役かいます。
たとえば、男性は太ももの筋肉量がアップすることで、たくましい足になることができます。
女性の場合は、太もも周辺の脂肪を落としスッキリとした足を目指せるでしょう。
大腿四頭筋は、身体の表層部にあるためトレーニングの結果がわかりやすい特徴があります。
触れたり、鏡で見たりしても変化がすぐわかるので、モチベーション維持にも効果的です。
日常動作が軽やかになる
大腿四頭筋の役割は、歩く・走る・上る・下る・跳ねる・伸ばすといった日常生活の動作をサポートすることです。
大腿四頭筋やその周辺筋肉が衰えてしまうと、日常生活に支障が出てしまいます。
衰えてしまう前から下半身を鍛えるトレーニングやストレッチを習慣化させ、負担がない日常動作を保ちましょう。
高齢者の動作リハビリに役立つ
大腿四頭筋のトレーニングは、高齢者にもおすすめです。
鍛えることで、転倒予防、膝や腰の痛みの軽減、歩行能力の向上などに効果が期待できます。
歩く・走るはもちろんのこと、膝を伸ばす、立つ、座るなどの日常動作のリハビリにも役立つでしょう。
大腿四頭筋を伸ばすストレッチ方法

大腿四頭筋を鍛えられる方法は、トレーニングだけではありません。
トレーニング効果を引き上げる意味でもストレッチは非常に有効です。
ここでは、椅子を使ったストレッチ方法を紹介するので、テレビを見ながら毎日実践してください!
大腿四頭筋ストレッチのやり方
- 椅子に座り、背筋を伸ばして胸を張る
- 床と平行になるように片足を伸ばす
- 伸ばし切ったら5秒キープ
- 元の位置に戻る
- これを左右繰り返す
(目安:片足20回×2セット)
回数にこだわるよりも、継続することが大切です。
無理のない範囲で継続し、少しずつ回数を増やしていきましょう。
大腿四頭筋を鍛える自重トレーニング
自宅でも省スペースでできる大腿四頭筋の自重トレーニングを紹介します。
隙間時間を利用して、習慣化できると理想的です。
スクワット

スクワットは、下半身を鍛える自重トレーニングの定番です。
とくに、大腿四頭筋・ハムストリングス・大臀筋・下腿三頭筋などの筋肉を効果的に鍛えることができますが、全身運動にもなると言われています。
筋力アップだけではなく、基礎代謝の向上、姿勢改善にも効果的なので年齢に関係なく取り組みましょう。
スクワットのやり方
- 肩幅に足を広げて、両手は真っ直ぐ床と平行に上げる
(両手は胸の前でクロスでもOK) - 膝を曲げて腰を落とし、太ももが床と平行になるまで下ろす
- 1秒キープ
- ゆっくり元の位置に戻る
- これを繰り返す
(目安:10〜15回×3セット)
慣れてきたらダンベルを持ちながらスクワットするのも、負荷がかかりおすすめです。
ランジ

ランジは、下半身の筋肉を鍛えるための筋力トレーニングです。
太もも(大腿四頭筋)、お尻(大臀筋)、ふくらはぎ(ハムストリングス)を効果的に鍛えることができます。
ランジのやり方
- 両足を腰幅に開き、片足を大きく前に踏み出す
- 前足の膝を曲げ、太ももと床が平行になるよう腰を落とす
(前膝は、つま先より前に出さない) - 後ろ足の膝も曲げ、床につかない程度に近づく
- 前足の太ももに力を入れて、ゆっくりと元に戻る
- これを左右繰り返す
(目安片足:10〜15回×3セット)
腰を下ろす際に、前傾姿勢になりすぎないように注意しましょう。
前傾姿勢になると、前膝よりもつま先が前に出やすくなり、膝を中心に負荷がかかってしまいます。
また、動作中は背中を丸めず、真っ直ぐ保つようにしましょう。
ブルガリアンスクワット

ブルガリアンスクワットは、通常のスクワットより負荷がかかるため難易度が高めです。
膝の高さ程度の椅子や台を用意し、片足を乗せてスクワットします。
そのため、バランスを取るのが難しく、太ももやお尻だけではなく、体幹も鍛えられます。
ブルガリアンスクワットのやり方
- 足を肩幅に広げ、前後に開く
- 後ろ足の甲を台(椅子)に乗せる
(片足の状態) - 胸を張り、背筋を伸ばす
- 前足に体重をかけて曲げて、お尻を下ろす
- 後ろ足の膝が床につかない程度まで沈める
- 上体を起こし元の位置に戻る
- これを繰り返す
(目安:片足10回×3セット)
動作中は常に背筋がまっすぐになっているように意識しましょう。
姿勢がブレてしまうと、負荷が分散されてしまい太ももやお尻へのアプローチが軽減してしまいます。
また、腰を落とした際につま先より前に出ないようにしましょう。
大腿四頭筋を鍛えるマシントレーニング
大腿四頭筋をピンポイントで鍛えられるマシントレーニングを紹介します。
マシンを使うことで集中的に刺激を与えることができますし、フォームが安定しやすいので初心者でも安全かつ効果的に取り組むことができます。
レッグプレス
レッグプレスは、大腿四頭筋を鍛えるマシントレーニングの中で、とくにおすすめの種目です。
専用のマシンを使って、大腿四頭筋・ハムストリングス・大臀筋などの下半身の筋力アップを目指します。
プレートに置く足の位置や幅によって、負荷をかけられる部位が変わるので、やり方をしっかり把握しておきましょう。
撮影協力:DTx FIT
レッグプレスのやり方
- 専用マシンに深く座り、シートに肩と腰をしっかりつける
- シートの位置を調整
- 足はプレートの中央に置き、肩幅に開いてつま先はやや外側に向ける
(大腿四頭筋に効果的な位置) - 膝を軽く曲げた状態から足裏全体でプレートを押す
- 膝が伸びきる直前で、ゆっくり元の位置に戻る
- これを繰り返す
(目安:筋肥大8〜12回/引き締め15〜20回×3セット)
息を吐きながら足を伸ばし、元の位置に戻る際に息を吸います。
このとき膝が伸び切ると痛めてしまうかもしれないので、伸ばし切らないのがポイントです!
また、腰が浮かないように、背中をしっかりとシートにつけた状態を保ちましょう。
レッグエクステンション

レッグエクステンションは、大腿四頭筋を鍛えるためのトレーニングマシンを使った運動です。
レッグプレス同様に、大腿四頭筋を強化できるため積極的に取り入れましょう。
ダンベルを使ってトレーニングすることもできますが、ここでは一般的なマシンを使ったやり方を解説します。
レッグエクステンションのやり方
- 専用マシンに座る
- 膝の角度が90度になるようにシートの位置を調整
- シートに背中をしっかりつけて体幹を安定させる
- レッグパットが足首の上あたりにくるように調整
- グリップを握って太ももを意識して膝を伸ばす
- ゆっくり元の位置に戻る
- これを繰り返す
(目安:筋肥大10〜12回/引き締め15回×3セット)
足先は90度の直角にしてトレーニングするのがポイントです!
また、腰は反らせず、呼吸することを意識し、反動に頼らずにゆっくりレッグパットをアップダウンさせましょう。
バーベルスクワット

バーベルスクワットは、バーベルを肩に乗せてスクワットする種目です。
大腿四頭筋・大臀筋・ハムストリングを鍛えることが、筋力アップだけではなく、バランス感覚や体幹の安定にも期待できます。
バーベルスクワットのやり方
- バーベルを肩の後ろに担ぎ、足は肩幅よりやや広めに開く
(つま先はやや外向きにする) - 目線は前方に向け、背筋を伸ばす
- お尻を後ろに突き出すようにして、太ももと床が平行になるまで腰を落とす
(膝がつま先より前に出ないように注意) - ゆっくり元の位置に戻る
- これを繰り返す
(目安:筋肥大8〜12回/筋力向上3〜6回×3セット)
バーベルスクワットは、適切な重量と正しいフォームで行うことが大切です。
初心者の場合は、まずスクワットの正しいフォームを習得しましょう。
大腿四頭筋トレーニングをするときの注意点

トレーニングを安全に行うために、以下3つの点に注意しましょう。
効果を最大限に引き上げたり、怪我を防いだりするためにも無理をしないことが大切です。
正しいフォームで行う
ストレッチや自重・ダンベル・マシントレーニング、どの種目も正しいフォームで実施することが大切です。
膝を伸ばして行うトレーニングがほとんどで、フォームが崩れると膝や腰、関節に負担がかかってしまうのです。
膝よりも前につま先を出さない、腰や背中が丸まらないように背筋を伸ばす、などフォームを意識してトレーニングしましょう。
もしフォームに不安がある人は、トレーナーに指導してもらうことをおすすめします。
無理な負荷をかけない
大腿四頭筋トレーニングでは、重い負荷をかける種目もあります。
しかし、凝り固まった筋肉に強い刺激を与えると、怪我や痛みの原因になります。
トレーニング前には、ストレッチをし、マシントレーニングだけではなく、自重トレーニングも実施するようにしましょう。
ダンベル・マシンといった負荷が高いものは、週2〜3回程度にし、休息時間を持つことも重要です。
ストレッチや自重は、毎日実施しても疲れが溜まりにくいので習慣化するといいでしょう。
痛みを感じたら中止する
トレーニング中に、膝や腰、太ももなどに痛みが出たら中止してください。
怪我につながる可能性があります。
トレーニングを中止しても痛みが残る場合は、アイシングやストレッチをして筋肉を休ませましょう。
痛みが継続する際は、専門医に相談するようにしてくださいね。
スタイルアップ・健康のために大腿四頭筋を鍛えよう!

大腿四頭筋(だいたいしとうきん)を鍛えるメリットは、見た目・健康面どちらにも存在します。
大腿直筋・外側広筋・内側広筋・中間広筋の4つの筋肉で構成されている大腿四頭筋は、日常動作に深く関わり、歩く・走る・伸ばすなどのスムーズな動作をサポートします。
そのため、年齢に関係なく高齢者にも鍛えてほしい部位です。
大腿四頭筋のトレーニングには、ストレッチや自重・ダンベル・マシンとあり、自宅でもジムでも鍛えることが可能!
効率よく効果を上げたり、怪我のリスクを軽減したりするには、正しいフォームで実施することが重要です。
ここで紹介したやり方を参考に、トレーニングに励みましょう。
フォームや負荷に不安がある場合は、パーソナルジムにて指導してもらいましょう。





