【監修】ヒラメ筋(ふくらはぎ)を鍛えるトレーニング方法・メリットとは

ふくらはぎにある筋肉を「ヒラメ筋」と言い、鍛えることで美脚を目指すことができます。
他にも、血流がよくなったり、疲れにくくなったりと健康的な身体づくりには欠かせません。
しかし、ふくらはぎを鍛えても意味がないと聞いたことがある人もいるのでは?
今回の記事では、ヒラメ筋について詳しく解説し、鍛えるメリットやトレーニング方法を動画やイラスト付きで紹介します。
目次
ヒラメ筋とは

ヒラメ筋とは、ふくらはぎの深部にある筋肉のことです。
下腿三頭筋(かでいさんとうきん)という筋肉群の一部で、表面の腓腹筋(ひふくきん)に覆われており、ともに足首の底屈動作を担います。
歩く・走る・ジャンプするといった動作をサポートし、また下半身の血流を促進する「筋ポンプ作用」により血液やリンパ液を心臓へ送り返します。
むくみや冷えの改善、全身の老廃物を排出、足首の安定やバランス維持にも貢献し、高齢者の転倒予防にもつながるでしょう。
ふくらはぎの筋トレは意味がない?
ふくらはぎの筋トレは意味がない、と言われることがありますがそんなことは全くありません。
血液循環が促進されて疲労物質の蓄積を防いだり、足のむくみや疲れを軽減したりと、健康や美容にメリットがあります。
また、転倒予防やスポーツパフォーマンス向上にもつながります。
とくに女性の場合は、引き締まった足になり美脚を目指せますし、高齢者の場合は怪我予防にもなるので積極的に筋トレしましょう。
ふくらはぎの筋肉を鍛えるとどうなる?

ふくらはぎ、すなわちヒラメ筋を鍛えたらどんな効果があるのでしょうか。
具体的に見ていきましょう。
全身の血流がよくなる
ヒラメ筋には、心臓に血液を送り返す「筋ポンプ作用」という役割があり、鍛えることでポンプ作用が強まり、全身の血流が良くなります。
全身に血液が巡ると、酸素・栄養素の効率的な供給や、老廃物の排出促進、代謝の活性化、免疫力の向上などの効果が得られます。
とくに中高年になると、血管が細くなったり、血流が悪くなったりと血管の老化とともに、脳卒中や心筋梗塞などを引き起こす可能性もあるので注意してください。
日常動作がスムーズになる
ふくらはぎの筋肉量が増えることで、歩幅が大きくなります。
また、ふくらはぎを覆う腓腹筋も強化され、足首が安定し歩行しやすくなったり、スムーズに一歩が踏み出せたりします。
また、バランスが取りやすくなり転倒予防にもなるでしょう。
疲れにくい身体になる
長時間の立ち仕事や長距離を歩くと、足が疲れてしまいますよね。
とくに、ふくらはぎは身体を支え続ける働きを持ち、筋持久力が不足していると、歩く・走る・負荷がかかるなどの一定の時間繰り返される動作をした際には疲れを感じやすくなります。
中高年になると、より少し動いただけでも疲れやすくなるでしょう。
ふくらはぎの筋トレは、体力の土台を築く重要な役割があります。
鍛えて疲れにくい身体を手に入れましょう。
むくみ解消・足痩せ効果
ヒラメ筋を鍛えることには、血行促進による健康面のメリットの他、美容面のメリットもあります。
- むくみ解消
- 冷え性改善
- 足の引き締め
- ダイエット効果
筋肉量が増えることで基礎代謝が上がり、エネルギー消費が増えることで、足痩せ効果に期待できます。
血液の流れが良くなれば、むくみも解消され、さらに美脚を目指せるでしょう!
運動パフォーマンスが向上
ヒラメ筋は、歩く・走る・ジャンプするといった動作に欠かせない筋肉です。
日常動作がスムーズになるのはもちろんのこと、スポーツ競技においても重要な役割を果たします。
フルマラソンやサッカー、野球など、筋持久力や瞬発力が必要な運動をしている人は積極的にヒラメ筋トレーニングを取り入れましょう。
ヒラメ筋を鍛えるトレーニング「カーフレイズ」
ヒラメ筋を鍛えるトレーニングには「カーフレイズ」が有効的と言われています。
まずは、基礎となるカーフレイズのフォームを習得し、他の種類にも挑戦しましょう。
カーフレイズ
ヒラメ筋の筋トレに欠かせない「カーフレイズ」は、かかとを持ち上げ、つま先立ちになることでふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋、腓腹筋、ヒラメ筋)を鍛えるトレーニングです。
動作はゆっくり行い、負荷をしっかり集中させましょう。
撮影協力:
カーフレイズのやり方
- 壁の前に立ち、足は肩幅程度に開く
- 壁に軽く手を添えて、かかとをゆっくり上げる
(足の親指の付け根を支点にして床を押し上げる) - つま先立ちの状態で1秒間キープ
- ゆっくり元の位置に戻る
- これを繰り返す
(目安:引き締め15〜20回×3セット/筋肥大8〜12回×3セット)
上半身がブレないように、体幹を安定させてトレーニングを実施しましょう。
無理のない回数からはじめて、慣れてきたら徐々にキープ時間や回数を調整してくださいね。
シーテッドカーフレイズ

シーテッドカーフレイズは、カーフレイズ種目の一つで座って行うトレーニングです。
ジムの場合、専用のマシンを使って行うこともありますが、ここでは自宅でも取り入れられるように椅子を用いたやり方を紹介します。
シーテッドカーフレイズのやり方
- 椅子に浅く座る
- 背筋を伸ばし、足は床と垂直に位置する
- かかとを限界まで上げてつま先立ちになる
- そのまま3秒キープ
- かかとをゆっくり下ろす
- これを繰り返す
(目安:50回×3セット)
バランスボールで代用することも可能ですが、かかとを上げたときにお尻が下に沈むため、ふくらはぎのトレーニングになりにくいかもしれません。
まずは、椅子を使って正しい姿勢でのトレーニングを習得してから、マシンや代用品を使ってみることをおすすめします。
ワイドスタンスカーフレイズ

ワイドスタンスカーフレイズは、主にヒラメ筋を集中的に鍛えるトレーニングです。
ふくらはぎはもちろんのこと、太もも・お尻といった下半身全体のスタイルアップにも役立ちます。
ワイドスタンスカーフレイズのやり方
- 足は肩幅よりやや広く、つま先は外側に向ける
- 膝を軽く曲げて、腰を落とす、手は太ももの上
- そのままの体勢でつま先立ちする
- 3秒間キープ
- かかとをゆっくり下ろす
- これを繰り返す
(目安:20回×3セット)
かかとを上げたまま体勢をキープしていると、体幹がブレやすくなります。
常に背筋を伸ばして、胸を張った状態を維持しましょう。
アキレス腱の反動を使わず、ゆっくりとした動作を意識することで、筋肉への刺激を高めます。
ドンキーカーフレイズ

ドンキーカーフレイズは、椅子や台に手を付き、四つん這いになって行うカーフレイズです。
四つん這いになったとき、背中が床と平行になる高さの椅子または台を用意してください。
ドンキーカーフレイズはフォームが重要です!
ドンキーカーフレイズのやり方
- 椅子の座面に手をつき四つん這いになる
- かかとを上げて、つま先立ちになる
- そのまま1秒キープ
- かかとをゆっくり下ろす
(かかとは床に完全に下さない) - これを繰り返す
(目安:20回×3セット)
負荷をより高めたいときは、腰に重りをつけたり、ブロック台などの段差を利用したりしましょう。
すべてのカーフレイズ種目に言えることですが、かかとは限界まで上げるのが鉄則です!
ふくらはぎを鍛えるその他のトレーニング方法
最後にカーフレイズ以外のふくらはぎトレーニングを紹介します。
ジャンプして鍛える種目なので、集合住宅にお住まいの人は騒音にお気をつけください。
省スペースで、気軽に実施できるためベランダや外でのトレーニングにも最適です。
アンクルホップ

アンクルホップは、アキレス腱の伸張反射をつかってジャンプをする有酸素運動メニューです。
ふくらはぎを鍛えて、瞬発力や持久力を上げることができます。
アンクルホップのやり方
- 足を肩幅に広げて、背筋を伸ばす
- かかとを上げて、つま先立ちになる
- 膝を軽く曲げて、つま先で地面を強く押し、高くジャンプする
(腕を振って反動も使う) - 着地するときは足裏をついて衝撃を吸収する
- これを繰り返す
(目安:10回×3セット)
上半身を使って、高く、真上に飛ぶことを意識しましょう。
着地の際に、膝を曲げすぎると力が地面に吸収されてしまうので、ふくらはぎへのアプローチが薄れてしまいます。
できるだけ膝を伸ばして反発するイメージを持ってください。
どの種目もですが、正しいやり方で継続することが重要です。
フロッグジャンプ

フロッグジャンプは、カエルのようにジャンプし続けるトレーニングで、腓腹筋・ヒラメ筋・お尻・太ももなどの下半身の筋肉を鍛えることができます。
アンクルホップと同じく、瞬発力や持久力を上げることができ、ダイエット効果にも期待できます。
フロッグジャンプのやり方
- 足を肩幅に開く
- 膝を曲げ、太ももと床が平行になるまでしゃがむ
- 手を振りながら高くジャンプする
- 着地したらすぐにしゃがみ、再びジャンプする
(目安:10回×3セット)
継続的に飛び跳ねるので、クッション性の高いスニーカーを選びましょう。
腰は曲げずに姿勢を正してジャンプし、着地の際は軽く膝を曲げて衝撃を吸収。
そうすることで怪我を防ぎながら、効果を上げることができます。
ヒラメ筋トレーニングをするときの注意点

ヒラメ筋トレーニングを実施する際は、負荷を意識するばかりではなく、休むことも重要です。
以下の点に注意して筋トレをしましょう。
筋肉に無理な負担をかけない
ふくらはぎは、集中して鍛える部位ではないため無理に負担をかけるのは控えましょう。
週に2〜3回程度のトレーニングで十分です。
ただし、むくみ解消・足痩せ目的の場合は負荷を控えめにして、毎日実施しても問題ありません。
ご自身の体力や筋力、目的に合わせて回数を増やしましょう。
疲れや倦怠感があるときは休む
ヒラメ筋・腓腹筋のトレーニング後に、疲れや倦怠感があるときは無理に継続せずに休むことが重要です。
疲労が蓄積すると怪我のリスクが高まったり、日常生活に支障が出てしまったりします。
しっかり回復してからトレーニングを再開しましょう。
筋肉の回復『超回復』には、適切な休養と栄養が必要です。
ふくらはぎの場合、24時間の休息が目安とされています。
空腹の状態で筋トレはしない
ヒラメ筋のトレーニングに限らずですが、空腹時のトレーニングは避けましょう。
空腹の状態では、体はエネルギー不足を補おうとして筋肉を分解し、筋トレをしても筋肉量が低下する可能性があるためです。
トレーニングの2〜3時間前に軽い食事から栄養を補給し、筋肉の分解を防ぎながら効果的にトレーニングを行うことが大切です。
食事直後の運動は、消化不良や腹部に不快感を引き起こす可能性があるので注意してください。
筋トレ後の食事は何がいい?必要な栄養素や食事メニュー、コンビニ食を紹介
ヒラメ筋を鍛えて美脚を手に入れよう!

ヒラメ筋とは、ふくらはぎの深部にある筋肉のことです。
鍛えることで、全身の血流が良くなったり、むくみ解消や足痩せ効果を実感したりすることができます。
また、瞬発力や持久力が上がることで運動パフォーマンスや日常生活の動作の質が向上します。
トレーニングは、カーフレイズがメインになるため、まずは基本の動作を習得しましょう。
座って行うものや椅子を用いるものなど、さまざまな種目があるので順に挑戦してみてください。
ただし、ふくらはぎの筋トレは集中して鍛える部位ではないため、怪我防止や疲労感を残さないためにも、週2〜3回程度にしましょう。
むくみ解消やダイエット目的の場合は、負荷を軽くして毎日実施しても問題ありません。
ヒラメ筋を鍛えて、スタイルアップを目指してくださいね!





