クレマチスの育て方完全ガイド|種類別の剪定のコツや庭での活用アイデア3選

「つる性植物の女王」として世界中で愛されているクレマチス。

一輪咲くだけで庭の格を上げてくれる圧倒的な美しさと、壁面やアーチを自在に彩る表現力の高さが魅力です。

しかし、種類が非常に多く、「剪定方法がわからない」「毒があると聞いて不安」という声も少なくありません。

本記事では、クレマチスの基本知識から、失敗しないための系統別剪定術、さらには似た植物との見分け方まで徹底的に解説します。

 

クレマチスの特徴

名前 クレマチス
種類 キンポウゲ科 センニンソウ属
開花時期 4月〜10月
花色
  • ピンク
  • 黄色
  • 複色

…など

生息環境
  • 山間部の林の縁
  • 河原
  • 小川のほとり
  • 崖地
    …など

 

クレマチスは、キンポウゲ科に属するつる性植物の総称です。

原種だけでも300種類以上、園芸品種を合わせれば数千種類にのぼり、花の形や色、咲き方のバリエーションが非常に豊かな植物です

細くしなやかなつるに、大輪からベル型まで多彩な花を長期間咲かせ、バラとの相性も抜群!

系統により剪定方法(新枝・旧枝・新旧両枝)が異なり、一年中花を楽しめる非常に品種が豊富なガーデンプランツなのです。

 

名前の由来とつる性植物の女王と呼ばれる理由

名前はギリシャ語で「つる(klema)」を意味する言葉に由来します

その細くしなやかな茎からは想像もできないほど、大きく豪華な花を咲かせる対比が美しく、バラとの相性も抜群であることから「つる性植物の女王」という別名で称えられるようになりました。

 

クレマチスの花言葉は「精神の美」「旅人の喜び」「たくらみ」

クレマチスには、その高潔な姿から「精神の美」という花言葉がつけられています

また、かつて旅人が宿の玄関にクレマチスを植えて歓迎したことから「旅人の喜び」、そして細いつるが他の植物を絡め取る様子から「たくらみ」という、少しミステリアスな言葉も併せ持っています。

 

開花時期で分かれる3つのタイプ

クレマチスは、いつ花が咲くかによって大きく3つのタイプに分かれます

 

一季咲き 春の一定期間に爆発的に咲き誇るタイプ
四季咲き 春から秋にかけて、剪定を繰り返すことで何度も花を楽しめるタイプ
冬咲き 他の花が少ない冬にひっそりと、あるいは華やかに咲く貴重なタイプ

 

クレマチスの毒性は?触っても大丈夫?

美しいクレマチスですが、キンポウゲ科の植物に共通する毒性を持っているため、取り扱いには注意が必要です。

 

汁液に含まれるプロトアネモニンによる皮膚炎のリスク

クレマチスの葉や茎を折った際に出る汁液には、プロトアネモニンという刺激性の有毒成分が含まれています

これが肌に付着すると、赤く腫れたり、ひどい場合は水疱(みずぶくれ)ができたりする皮膚炎を起こすことがあります。

とくに肌の弱い人は、素手でつるを整理したり剪定したりするのは避けましょう。

 

ペットや子供の誤食に注意!安全な管理場所

誤って口にしてしまった場合、口腔内の痛みや嘔吐、胃腸障害を引き起こす可能性があります

好奇心旺盛なお子様や、葉を噛んでしまう癖のあるペット(犬や猫)がいるご家庭では、手の届かない高さのフェンスに這わせるなど、植える場所を工夫することが安全管理のポイントです。

 

クレマチスと似たつる性植物との違い

「つる性で美しい花を咲かせる植物」は、クレマチス以外にも庭でよく見かけます

しかし、植物の種類によって毒性の強さや剪定の仕方が全く異なるため、比較表と以下の詳細を参考に正しく見分けましょう。

 

クレマチスとテッセン(鉄線)の違い

テッセンは、中国原産のクレマチスの原種の一つです

現代ではクレマチス全般を指してテッセンと呼ぶこともありますが、厳密には「6枚の白いガク(花びら状)を持ち、中心の蕊(しべ)が紫色のボタンのように発達したもの」を指します。

 

クレマチス テッセン
花色 多彩(赤、紫、白等) 白(中心が紫)
花の構造 ガクが大きく開く 蕊(しべ)が目立つ
毒性 あり(中程度) あり
つるの性質 葉柄で絡みつく 葉柄で絡みつく
主な用途 観賞用(主役) 古典園芸・茶花

 

クレマチスとトケイソウの違い

トケイソウは、名前の通り「時計の文字盤」のような極めて複雑でユニークな花の形をしています

クレマチスは自分の葉の柄を相手に巻き付けて登りますが、トケイソウは葉の付け根から出る巻きひげ(糸状のもの)を使って登るのが大きな違いです。

 

クレマチス トケイソウ
花色 多彩(赤、紫、白等) 白、紫(複色)
花の構造 ガクが大きく開く 時計の文字盤状
毒性 あり(中程度) なし(種による)
つるの性質 葉柄で絡みつく 巻きひげで掴む
主な用途 観賞用(主役) グリーンカーテン

 

クレマチスとセンニンソウの違い

センニンソウは日本各地に自生するクレマチスの近縁種ですが、注意が必要なのはその強い毒性です

小さな白い花を十字型に密集させて咲かせますが、汁液に触れるとクレマチスよりもひどい皮膚炎(水疱)を起こすことが多いため、安易に触れてはいけません。

 

クレマチス センニンソウ
花色 多彩(赤、紫、白等) 白(小花が密集)
花の構造 ガクが大きく開く 4枚のガクが十字型
毒性 あり(中程度) あり(強力)
つるの性質 葉柄で絡みつく 葉柄で絡みつく
主な用途 観賞用(主役) 野生・生け垣

 

クレマチスとツルニチソウの違い

ツルニチソウは、地面を這うように広がるグランドカバーとして人気の植物です

クレマチスのように高い場所へ登っていく力は弱く、主に横へと広がって青紫色の5裂した花を咲かせます。

 

クレマチス ツルニチソウ
花色 多彩(赤、紫、白等) 青紫
花の構造 ガクが大きく開く 花びらが5裂し平らに開く
毒性 あり(中程度) なし
つるの性質 葉柄で絡みつく 地面を這う
主な用途 観賞用(主役) グランドカバー

 

クレマチスの系統別・失敗しない剪定方法

クレマチス栽培において最大の難関と言われるのが「剪定」です

しかし、実はその植物が「どの枝に花芽をつけるか」という性質さえ理解してしまえば、決して難しい作業ではありません。

剪定はただ形を整えるだけでなく、翌年の花数を増やし、株の寿命を延ばすために不可欠なステップです。

 

旧枝咲き(前年の枝に咲く)の弱剪定

旧枝咲きは、前年の春から秋にかけて伸びた古い枝が冬を越し、そこから短い芽を出して花を咲かせるタイプです

代表的なモンタナ系やフォステリー系がこれに当たり、春に一斉に咲き誇る姿は圧巻ですが、剪定のタイミングを間違えると翌年の花を全て失うリスクがあります。

 

剪定のコツ

花が終わった直後に、花首のすぐ下でカットする程度の「弱剪定」に留めるのが基本です

脇芽を育てるために、枯れた花だけを摘み取るイメージで行いましょう。

 

注意ポイント

冬の休眠期に枯れ枝と勘違いして根元からバッサリ切ってしまうと、その枝に準備されていた花芽を全て捨ててしまうことになります

冬は枯れているように見えても、枝の中に命が宿っていることを忘れないでください。

 

新枝咲き(今年伸びた枝に咲く)の強剪定

新枝咲きは、春に地面付近や地中の芽から新しく伸びてきたつるの先に花を咲かせるタイプです

ジャックマニー系やビチセラ系などが該当し、生育が非常に旺盛で、剪定によって株をリセットできるため、管理が最も楽で初心者向けの系統と言えます。

 

剪定のコツ

冬の休眠期や一番花が終わった後に、地面から1〜3節(地際から10〜20cm程度)だけ残してバッサリ切る「強剪定」を行います

思い切りよく切ることで、新しい元気なつるが伸び、花付きが良くなります。

 

注意ポイント

剪定をせずに古い枝を残しすぎると、つるがどんどん細くなって花が小さくなったり、株元がスカスカになったりして景観を損ねる原因になります

毎年新しく更新させることが美しさを保つ秘訣です。

 

新旧両枝咲きの剪定のコツ

前年に伸びた枝からも、今年新しく伸びた枝からも花が咲く、非常に欲張りで魅力的なタイプです

パテンス系やラヌギノーザー系など大輪の園芸品種に多く、一度花が咲いた後も適切な剪定を行うことで、年に2回、3回と繰り返し花を楽しめるのが最大の特徴です。

 

剪定のコツ

「弱剪定」と「強剪定」の中間的な扱いをします

一番花が終わった後は、つるを半分程度の長さ(2〜3節下)で切り、二番花を促します。

冬の間は、ふっくらと充実した芽を確認し、その少し上で先端を軽く切り戻す程度にします。

 

注意ポイント

四季咲き性が非常に強いため、花が枯れたまま放置してしまうと種を作ることにエネルギーが使われ、次の花が咲きにくくなります

こまめに切り戻しを行うことで、春から秋まで長く女王の姿を堪能できます。

 

クレマチスを庭で楽しむ活用アイデア3選

「つる性植物の女王」の名にふさわしい、クレマチスを主役にした庭の演出を楽しんでみては?

バラと組み合わせたり、鉢植えにして身近で楽しんだりとご自宅に合わせた活用をしてみてくださいね。

 

コンパニオンプランツ

バラとクレマチスを組み合わせて、お互いの美しさを引き立てる最も贅沢な演出です

バラ(おすすめはツルバラ)の苗から30〜50cm離した場所に、クレマチスの苗を植えます。

バラの枝の隙間を埋めるように、クレマチスのつるを誘引していきます。

バラが咲き終わった後の「寂しい時期」に咲く系統を選べば、庭の主役を途切れさせずに済むのでおすすめですよ。

色の組み合わせ(ピンクのバラ×紫のクレマチスなど)を考えるのが成功のポイントです。

 

ウォールデコレーション

ウォールデコレーションは、建物の壁や高いフェンスを一面の花で埋め尽くし、絵画のように見せる手法です

 

  1. 壁面に丈夫なワイヤーやネットを、数センチ浮かせて設置
  2. 旺盛に伸びる「モンタナ系」などの系統を選び、株元に植える
  3. つるが上に伸びる性質を利用し、扇状に広がるようにワイヤーへ固定

 

満開時には壁一面が花で覆われ、通行人の目を引く圧巻の景色になりますよ。

 

鉢植えのオベリスク仕立て

鉢植えなら狭いスペースやベランダでも、立体的なボリューム感を出せる仕立て方です

 

  1. 大きめの鉢(8号以上)の真ん中に、高さのあるオベリスク(支柱)を立てる
  2. クレマチスの苗を植え、つるをオベリスクにらせん状に巻き付ける
  3. つるが上まで到達したら、先端を軽く摘芯(ピンチ)して脇芽を増やす

 

初心者でも失敗しない育て方のポイント

クレマチスは非常に丈夫で育てやすい植物ですが、枯らしてしまうかも…と不安な人は、ビチセラやジャックマニー系がおすすめです。

また、失敗の原因に植え付けや水やりが考えられます。

以下の点に気をつけて育てましょう!

 

深植えが基本!クレマチス特有の植え付け術

クレマチスは他の植物と違い、深植えを推奨します。

苗を植える際、地面より下の節が1〜2節土に埋まるように深く植えてください

これにより、もし地上部が枯れたり病気になったりしても、土の中の節から新しい芽が再生し、株が生き残る確率が格段に上がります。

 

水切れ厳禁!夏場の管理と日当たりの調整

クレマチスは「顔は日光に、足元(根)は日陰に」という言葉があるほど、根の乾燥を嫌います。

夏場はとくに水切れに注意し、朝晩の涼しい時間にたっぷりと水を与えましょう

株元にマルチング(ワラやウッドチップ)を施して、土の温度上昇を防ぐのが夏越しのコツです。

 

毒性に配慮した手入れ時の服装とハサミの洗浄

クレマチスには有毒成分が含まれており、皮膚トラブルを防ぐため、以下の対策を徹底しましょう

つるが肌に触れないよう、ガーデニング用の手袋と長袖を着用します。

剪定後は、ハサミについた汁液を水でしっかり洗い流しましょう。

そのまま放置するとハサミが傷む原因にもなります。

さらに作業が終わったら、すぐに石鹸で手を洗い、成分が残らないようにし、着用していた衣類も他のものとは別に洗濯してください。

 

まとめ

クレマチスは、正しい系統選びと剪定方法さえマスターすれば、毎年お庭を劇的に華やかにしてくれる素晴らしい植物です

毒性という注意点はありますが、手袋を着用するなどの基本的なマナーを守れば決して怖いものではありません。

バラとの共演や壁面演出など、あなただけの「つる性植物の女王」の活かし方を見つけて、理想のガーデンを完成させてくださいね。

また初心者でも剪定はできますが、不安が残る場合は業者に依頼するのも一つです。

TAKUMeeでは、専門技術の高さと豊富な経験を有する造園業者を厳選し、無料見積もりをご案内しております。

庭木や植木の剪定・伐採など庭全体のメンテナンスを承っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

       

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